東京都の東端に位置する葛飾区は、荒川と江戸川が各々東と西の区境を形成し、さらに中川・新中川が区内を流れ、身近に多くの水辺が存在する水郷の地です。
葛飾の地名は、もともと下総国葛飾郡一帯の広大な地域の総称で、古くは万葉集などにもその地名が登場します。
区内には、山田洋次監督の映画「男はつらいよ」シリーズで知られる柴又帝釈天や、江戸の菖蒲文化を伝える堀切菖蒲園、秋元治の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で知られる亀有公園などがあり、下町情緒を残した地域性が特徴です。
葛飾区の中心は、区役所が所在する京成本線・押上線の青砥駅で、日本橋からはおよそ10kmの距離です。近年は、「都心からの距離に比べて、不動産価格や家賃が割安」と言う理由で移り住む住民も増えています。

葛飾区の中心部を通る京成線の沿線は、行政と観光の中枢を担います。
沿線には、浮世絵にも描かれた堀切菖蒲園や曳舟川があり、青砥駅には区役所や文化会館が所在しています。また京成金町線の柴又駅が最寄りの「柴又帝釈天」と「寅さん記念館」は、多くの人々で賑わっています。柴又帝釈天界隈は矢切の渡しの船着き場でもあり、環境省の「日本の音風景100選」に選定されています。
さらに、京成立石駅前には昭和のレトロな風情を漂わせ小さな居酒屋が軒を連ねる「呑んべ横丁」があります。この横丁はマスコミにも時折紹介され、その前身は昭和28年にできた立石デパートで日用品を売る商店街でした。

JR常磐線の沿線は近年、急速に再開発が進み特に亀有駅周辺は区内でも有数の商業地域を形成しています。亀有駅前には、イトーヨーカ堂を核テナントとする「リリオ商店街」、多目的ホールの「かめありリリオ・ホール」があり、さらに専門店街やシネマコンプレックスを含む大規模ショッピングセンター「アリオ亀有」が開業したことにより、ますます活況を呈しています。
また隣の金町駅には、商業施設・公共施設を含む41階建ての再開発複合ビル「ヴィナシス金町」がそびえ建っています。その他、金町駅北西では再開発事業が進み、東京理科大が誘致され「葛飾キャンパス」が開校しました。

JR総武線の新小岩駅は各駅停車の他、快速電車も停車するため利用者が多く、駅前も多くの人が行き交います。駅周辺には大型都市公園の「新小岩公園」や、小松菜発祥の地として親しまれる「小松川境川親水公園」などがあり、春の桜や、夏の水遊びなど四季を通じて身近に自然を満喫することができます。
また駅南口には、葛飾区内で初のアーケードが設置された「ルミエール商店街」があり、昭和の情緒を残し賑わっています。この商店街は約140店が軒を連ね、その全長は420ｍを誇り一部は江戸川区に達しています。
新小岩駅界隈は、都心への高い交通利便性と下町の趣を兼ね備えた心地の良さが魅力となっています。